『好きなように生きる下準備』(中川淳一郎)についてのすべてのヨミメモ

好きなように生きる下準備
中川 淳一郎
出版社: ベストセラーズ   出版日: 2016-06-09   ページ数: 240

本書は、さっさと (それなりに金銭的・精神的・体力的に) 余裕のある老人になり、面倒なことからおさらばすることを目指したい人向けの、取り敢えず20代、30代を楽しく過ごすことのできたオッサンの遺言であるとお考えいたただきたい。
 20代、30代は、その後の人生を考えると「準備期間」としてはもっとも重要な20年。ここでいかに「良い時間」を送るかが鍵。
目次
第一章 [仕事編]
会社に頼らない生き方を目指してますか?
第二章 [お金編]
お金で行動が左右されていませんか?
第三章 [恋愛・結婚]
本当にモテる秘訣を知っていますか?
第四章 [生活編]
SNSをやめてダイエットを始めてみませんか?
第五章 [人生編]
20年後の自分は居心地いい状態ですか?
20代、30代に惨めな思いも含め、ブラック的な働き方をして良かったと考えている。
また、35歳までに他者にとって分かりやすい実績を作れた、これは重要である。
凡人が、かような実績を作る為には、ブラック労働はある程度必要。
今自分が「ラクな40代」を過ごせている理由 by 中川淳一郎
1. すべて自己に責任があるから
2. 周囲の人が信頼を持ってくれているから
3. 時間をかけて良い人間関係を築いてこれたから
4. 自分の得意分野が分かったから
5. 周囲が自分に期待することが分かってるから
6. 1〜5 の理由により、自分を見下す人がいても見下す人の方がおかしいと他者から認識してもらえるから
1 は、複数当事者間の調整という、原理的には不可能だがしかしせざるを得ない作業の遂行に伴う苦痛を味わわなくてすむから。
2,3 は、結局仕事は人間関係だから。
4,5 は、そうすると人が自分に仕事をくれるから。
いずれも20、30代で築き上げ、その後はそれをベースに40代を戦える。
「すべて自分に責任がある」と考えればなぜ「ラク」なのか
 自分に責任がない場合、当該業務は「上司から怒られないようにどうすべきか?」という発想のもとに遂行されるものとなり、他者の言いなりにさせられてる感、被支配感覚が常態化する。
 しかし自分に責任がある場合、その都度「この状況で最善は何か?」を考えることができる。失敗しても自分が損するだけ。怒られても、「はぁ、そうですか」でしまい。
成功も失敗もすべて自分に降り掛かってくる。これが「責任者」です。こんなにラクなことはありません。様々に絡み合う個々人の思惑を考えないでいいのです。
 畢竟するに、自分には決定権限も判断権限もないにも関わらず、(クライアントと上司、部下と上司の)板挟みになることこそが、ストレスの元凶で、疲弊の最大の原因なのである。
 責任者になれば、そんなことで苦しまなくて良ーーい! 「責任者出せ!」と言われても、「私が責任者で、私の判断が最終判断です」でしまい。何か言われてもうんこ食ってろ、と思えば良く、会社とクライアントの間で調整をする必要がない。
「ラクな40代」に集約されることとは、「専門分野がある」ことと「周囲が認める実績がある」ことにつきる。これがないと、40代から定年までの職業人生にはキツいものがあるかもしれない。
不思議な者で、40歳ぐらいになると、表情や立ち居振る舞いをみるだけで、この人が優秀かどうかというものは分かるものです。それは多分自信に満ちていることと、自分の発言に自信があるからこそ、ハキハキと論をはれることがあるのでしょう。
専門分野には2パターンある。
・そのことやり続ける結果生まれるパターン
・実績を出したため、周囲がそれを専門分野だと思ってくれるパターン
後者の例: 中川淳一郎「ネット関連の専門家」・・・『ウェブはバカと暇人のもの』を上梓し、当時誰もが指摘しなかった(だがその後には常識となる)ことを世に知らしめ、これが実績となり、ネットの専門家と周囲に思われるようになった。
他人に期待するのをやめよ、大人なんだからキツイことをやらなくてよい。
会社を辞めてローンや係累のことが心配? もともとの欲望水準を下げてミニマルに生きればよいのだ。
基本的には「所詮オレだ」「所詮私だ」の考えでいればいい。
自分のことを 崇高なる人間であり、社会の役に立つべき人間だと考えるためにフラストレーションが発生してしまうのです。
だがしかしこの本は自己啓発本じゃねーぞ!だから「分相応であれ」「過度な期待を自分にするな」だバカヤロー。
そして、「報われるという考え方を捨てろ」
他人にゆだねなければならないことが多すぎるぞ、組織や他人との距離感にいちいち悩んでたら何も進まん。
まずは人生の主導権を他人から自分に移すことから始めやがれ!
主導権の移し方について
目標→ 特定の技術・知識以外については誰にも相談しないでいい生き方を目指せ。
本書の究極的な目的は、「自分以外に自分のことを分かってる人間はいない」という信念のもと、「一切誰にも質問しない人生を生きる」ところにいかに到達するか、という点にある!
主導権を握るのに大切なこと→ 「あなたが主導権を握ることを周囲が納得するかどうか」
そして、「主導権を握るには実績を作るしかない」
 世の中には、お前の知らない仕事は砂の数ほどある。
「自己実現」「なりたい自分」を予め決めておくことによって、偶然性から生じる可能的な自己のあり方を狭めてしまいやしないか?
 だって人は他者と出会い交流することによって新たな道がその前に拓かれるのであり、また知識を得るのだから。
 出会いの偶然に振り回され、回り道をすることで日々軌道修正しながら人生を歩んでいくものなのだから、はじめから固定的観念で未来を規定しない方がよろしい。
例: 小学生のなりたい職業ランキングを見よ。これが意味するのは、人は、自分が知っている職業しか、目指せないということだ。知らない職業があり得ることのアンテナをはじめから捨てていたら、自らのあり得る可能性を大幅に縮減することになるぜ。
「一貫した夢や理想像」という自己実現に拘泥したとして、新たなチャンスないし可能性、金脈を逃すことにもなりかねない。
「他者様」からの評価によって需要を知り、乗ってみたら?
ちょっとした目標の積み重ねが、偶然性を経て自己実現に繋がるのではないでしょうか。
・決断力について
 即座の決断によってしか成し遂げられないこともある。例えばIT業界のさまざまなジャンルにおいて、だいたい勝つのはトップランナーまたは次の一社程度。ブログ、SNS、コンテンツ、あらゆる領域において「この分野は行ける!」と判断したら他の人があまり目をつけていないうちに参入し、一気にトップランナーになるべし。かつ、先行者利益を使えるところまでもっていくべし。
・執務上の決断力について
 仕事の依頼を断る場合、依頼主が他の手を打てるようにすぐ決断してあげるべきである。依頼主は、未決状態が延長されるせいで多くの時間と労力を無駄にする。
 対案を出してあげるのもよし。例:「社長インタビューは忙しくて無理だが、トップ2ならできるかもしれないとすぐ返答」
・新入社員の8割が「仕事」よりも「プライベート」を優先する社会で、どうやって生きて行くべきか?
 確実なことは、ハードワーカーであることの方が、収入・昇級の面でも、技能習得の面でも圧倒的有利である、これである。
 周囲にイージーワーカーが多い場合、なおさら他者と差をつけるチャンスである。
 ※ただし、バイトなど単純定型労働は自分の身にならない場合もあるので、一概には言えないので注意すべし!
[お金編] 浪費癖をなおし、お金を貯めるには
 浪費というものは、欲望が肥大化した状況だ!
 金銭感覚を一定にしておけば、臨時収入があったり収入が上がったり下がったりしても一定の消費に抑えることができる。
「収入に見合った消費をするべきだ」とは、もっともお金の貯まらないタイプの人の発想である。注意すべし!
 参考:『節約する人に貧しい人はいない』(中川淳一郎)
人生はトレードオフ。失うものがあれば得られるものもある。
中川氏的フリーランスの場合、休日、子供、穏やかな生活など。
お金を増やすのにはリスクがあるが、節約にはリスクはない。
著者の知人の某氏曰く、人生の不良債権とは、「妻」「子供」「家」。
著者自身は、「妻」「子供」を不良債権とは考えない。が、「家」は「不良債権」である。
例: 引っ越せない。家には、死者の想い出が宿る。
彼女が死んでから、ベランダを見ても、洗濯物が揺れているだけです。
街を歩いていると、パッとしない外見の男がキレイな女の人を連れているのを時々見ますよね。ですからあなたがやるべきことは、仕事を必死にやって出世or起業することとダイエットです。
 家族と、仕事をくれる人には直接感謝を述べねばならない。しかしそのためには、SNSで「ありがとう」なんて言ってる時間は、邪魔なのである。もうSNSでつながらなくてもよいのではないか。
 過去の痛い発言が、今や未来の自分に紐づけられたり、職場に抗議電話がかかってきたりする可能性のある時代に、Twitter, Facebook になんの意味があるのか。
 商売のための告知に使うなど具体的有用性のある場合を除き、ネットでの「つながり」にしがみつかなくても、もういいのではないか。
私自身は今のような仕事を辞めた場合、もうネットには触れるつもりはありません。「世捨て人」とまではいきませんが、情報源は新聞とラジオだけにし、ひっそりと世間の流行モノとは離れた生活をしていきたい。
 SNSの場合、同質の者同士がシェアする話題は、似通ったものになる。同じ情報を共有している場合ではない。周囲とは異なる独自の情報を取得できるのは、書籍のみである。図書館へ行け! 一般人はSNSを使う利点など無いのだ! 他人が知らない情報を知りたければ、書籍を読め!
若いネエチャンと毎週一回は高級レストランに行き、高級ホテルに泊まる」とかそういったものでもいいんですよ。こうした目標を作ったのだとすれば、その代金を払えるくらいの給料が必要になる。また、若い女性にとって魅力的な男性であるべく、もしかしたらデブにはならない努力が必要かもしれない。こうした様々なギラギラとした欲望から、逆算し、日々の行動を取捨選択していくことが必要です。
[トリビア] 中川淳一郎は、デカルトの『方法序説』、ハイデガー『存在と時間』を読んだことがある。