『自閉症とラノベの社会学』(竹中均)についてのすべてのヨミメモ
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自閉症とラノベの社会学
出版社: 晃洋書房
出版日: 2016-05-07
ページ数: 162
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この種の登場人物について中西は次のように解釈します。日常世界の中に「他人に目をくれず自己の『欲望』のままに振る舞う」人物を登場させることによって、現実ではありえない刺激的な別世界を一挙に作り出せるのです。このことを中西は、「徹底的に空気が読めないキャラクターを配することによって、空気を読み合うことで成り立っている現実を別のすがたに変貌させる手法」と呼びます。「『ベタ』な現実の強い拘束を壊すために、そうした拘束をものともしないキャラとしてジコチューが選ばれる」のです
ここで彼女はクラブ活動を、社交性の養成という視点からではなく、特別な関心の追求という視点から推奨しています。クラブ活動の本義を考えれば、これは当たり前の話です。しかし、少なくとも日本の学校社会における部活は、社交性を身につける場として考えられている節があります。