nekotool さんのヨミメモ

『ラカン―鏡像段階』(福原泰平) by nekotool


・症例エメ
彼女には像を内在化し、それを自己につなぎとめておくみずからの中核となるべき印が欠けていた。そのためにエメは、このような理想像への同一化という、外部の衣装を取っ替えひっかえしていくことで自己を見いだし、みずからを根拠づけようとするより他に方法がなかったのである。 自己と他者とがお互いを照らしあうことで、自己を示す印は合わせ鏡の像のように無限に後退していくことになる。
去勢の機能不全ないし機能不足。ファルスを持たないがゆえの、イマジナリーな世界の鏡像的同一化の反復により、主人と奴隷の弁証法の中に延々と囚われている。象徴界の調停者がいない。

ラカン―鏡像段階
福原 泰平
出版社: 講談社   出版日: 1998-02-01   ページ数: 365