yuhr さんのヨミメモ

『身体のリアル』(押井守、最上和子) by yuhr


人生の一部というか。それと同じで公演をやろうがやるまいが、舞踏家になろうがなるまいが、身体に取り組むという一本の太い線が最初にあって、その枝のひとつが公演というとらえ方にだんだん変わってきたんですよ。それまでは公演をやっても達成感がないというか、楽しくなかった。なんで楽しくないかをわかるまでにすごく時間がかかっちゃって。「なんでこんなに満たされないんだろう」って。よく「舞台に魔物が住んでいる」とか「お客さんの拍手をもらうのが生きがいです」とかいろいろ言うんだけど、私はそういうのがなかった。「スタンディングオベーションが欲しい」とか全然思ってないし、されれば悪い気はしないし嬉しいけど、そのためにやろうという気はまったくない。というふうにだんだん移行してきて。それはそれで別の悩みがあるんですよ。というのは公演を目指していないと、稽古場をやっても生徒さんが来ないというね(笑)。みなさんそれがあるから来てるという、功利的と言えば功利的なんだけど、それがないと本当に身体をやりたい人しか来ないんですよ。

身体のリアル
押井 守、最上 和子
出版社: KADOKAWA   出版日: 2017-10-04   ページ数: 352