yuhr さんのヨミメモ

『おんな紋―血縁のフォークロア』(近藤雅樹) by yuhr


人にはそれぞれ生きているあいだはその人の身体から遊離できないたましいがあり、その力を無視するものはかならず災厄をうけると信じられ、不可侵なるものを侵害したとして指弾され、集団の嫌悪と軽侮をうけた。ある事物は使用主の分霊が宿っているから、うっかり手をつけると祟りがあるとされ、特定の手続き、したがって呪術によって自らの分霊を宿らせれば、それでもって私権が保持できるといった、大きくいえば民族、実際には個々の村落や家族の成員共同の信仰によって、秩序づけがなされていたと考えられる。

おんな紋―血縁のフォークロア
近藤 雅樹
出版社: 河出書房新社   出版日: 1995-01-01   ページ数: 258