yuhr さんのヨミメモ

『定本 夜戦と永遠 上---フーコー・ラカン・ルジャンドル』(佐々木中) by yuhr


自己が投射されるあらゆる小他者 a はその愛着と憎悪とともに増殖していく。
愛と嫉妬、愛と憎悪、この「鏡のなかにわれわれに現れる原初的な両義性」は不可避である。同一化が自我の起源である以上、自我である者にはこれを避けることはできない。「これがわたしだ」から「これがわたしなのか」への、「わたしをこのようにしたのはおまえか」への急変であり、輝かしい明るみのなかの歓喜からその同じ明るみのなかで嫉妬の眼差しを剝く明き憎悪への急転である。しかも、この「わたし」と「おまえ」は根本的に同一のイメージなのだ。
小説家を志望していた彼女は、若い頃流産をしたときに、尊敬と愛の対象だった自分の姉や優秀な友人が子どもを盗み奪ったのだという妄想にとりつかれた。