yuhr さんのヨミメモ

『ひとつではない女の性』(リュス イリガライ) by yuhr


彼が通った後には、表側は裏側を失っているだろう。多分、反対側もまた失うだろう。けれど「それらがなくてどうやって生きられるの?」 ただの正面だけ、ひとつの顔だけ、ひとつの意味だけで。ひとつの面だけで。常に鏡の同じ側で。この切断は各自をその他社から切り離し、他者は突然全くの他者として現われる。奇妙にも見知らぬ者。敵対し、不吉な者。冷ややかなまでに他者。

ひとつではない女の性
リュス イリガライ
出版社: 勁草書房   出版日: 1987-11-01   ページ数: 306