yuhr さんのヨミメモ

『あるヒステリー分析の断片―ドーラの症例』(ジークムント フロイト) by yuhr


ヒステリー症者は確かに人生のあれこれの時期については首尾一貫した十分な情報を医師に提供できる。ところが、それに続いて別の期間について報告する段になると、患者たちの伝えることは希薄になり、隙間や謎を残すようになる。あるいはまた、まったく不明瞭で使い物にならないような報告しか得られず、何も明らかにならないような時期に行きあたってしまうこともある。そうした時期については、見かけ上の前後関係さえたいてい寸断されてしまっており、さまざまな事態がどういった順序で起こったのかは不明瞭となる。女性患者は物語っている最中でも、自分の言ったことや日付を繰り返し訂正し、そののち長々と迷った後、結局またふたたび元の発言に戻ったりするのである。