yuhr さんのヨミメモ

『あるヒステリー分析の断片―ドーラの症例』(ジークムント フロイト) by yuhr


まず第一に、女性患者は自分自身でよく知ってもいるし、また語ってしかるべきでもある事柄の一部を、いまだ克服しえない羞恥心(また、他人が関わっているときには、その人たちへの守秘の配慮)を動機として、意識的にまた意図的に押しとどめてしまうことがある。ここには意識的な不誠実が関与している。第二には、女性患者が自分の既往歴に関して知っていることの一部が、普段ならば話せるし、それについては押しとどめておこうなどとことさら決意したのではないのに、医師に物語るさいには出てこないことがある。ここには無意識的な不誠実が関与している。そして、第三には、かならず真の記憶喪失が見いだされる。古い想い出だけではなく、つい最近の想い出さえこの記憶の隙間の中に陥ってしまうのである。そのさい、この隙間を埋めるために二次的に形成された想起錯誤がかならず見いだされる。