yuhr さんのヨミメモ

『あるヒステリー分析の断片―ドーラの症例』(ジークムント フロイト) by yuhr


そして、こうした想念が思考活動によって解消できないことについては、二つの理由がありうる。すなわち、その想念自体の根が抑圧された、無意識的な素材にまで達しているからか、あるいは、その想念の背後にさらに別の無意識的な想念が潜んでいるからだ。後者の場合、たいていその無意識的想念は過大視された想念とは正反対の想念である。反対物はつねに相互に密接に結びつく。そのさいよくあるのは、一方の想念が非常に強く意識されるのに対し、それと対をなす他方の想念は抑圧され、無意識的になっているという組み合わせだ。こうした関係は、抑圧行程の成果である。つまり、抑圧すべき想念の反対物を過度に強化するという仕方で、しばしば抑圧が達成されるのである。