yuhr さんのヨミメモ

『売笑三千年史』(中山太郎) by yuhr


しかしてそれは山城国宇治町の県神社の『種もらい』という土俗である。同社の例祭は闇祭と称し、神輿の渡御する時刻は町内の総ての燈火を消すのであるが、この間に各地より集り来ている男女の群衆は、狭隘なる宿舎に雑然として押し合いへしあううち、名も所も顔も知らぬ異性達が、手が障り足が触れるままにかたらうのである。そしてこの結果妊娠した婦人はいわゆる子種を貰ったということになるのである。

売笑三千年史
中山太郎
出版社: 筑摩書房   出版日: 2013-07-10   ページ数: 720