yuhr さんのヨミメモ

『自己と他者』(R・D・レイン) by yuhr


ある人が他者の経験を研究する場合、直接的には、他者についての自分自身の経験を覚知しうるにすぎない。
これは、私が自分の場合はそうであることを知っているように、他者の行動は、なんらかの形でその他者の経験の函数であるということを前提としている。たとえそれがどんなに条件つきのものであっても、この前提にもとづいてのみ、ひとは、他者の行動を眺める視点から他者の経験に関する推論をあえて行うことができるのである。
人が、他者の行動についての自分の直接的かつ端的な知覚にもとづいて、他者の経験に関して行う推論は、一種の属性付与の行為である。
患者が否認するところの作因、動機、志向、経験を患者の属性として帰属させるばかりではない。そのような単なる帰属を超えて、《無意識》を説明するための力、エネルギー、力動、経済、プロセス、構造といった異常な剝奪を行う。

自己と他者
R・D・レイン
出版社: みすず書房   出版日: 1975-09-26   ページ数: 240