yuhr さんのヨミメモ

『演劇やろうよ!指導者篇』(かめおかゆみこ) by yuhr

演劇やろうよ!指導者篇
かめおか ゆみこ
出版社: 青弓社   出版日: 2011-09-17   ページ数: 248

小さな空間のなかでは、役者と観客の関係が親密になり、少将のミスも温かく許容され(笑)、とてもいい雰囲気がかもしだされるのです。
「私たち、お客さんに見にきてもらっているのであって、見せてやってるわけじゃない。静かにしろって強制はしたくない」
「あいつら、授業のときより静かだよね」
すべての答えがここにある
幸か不幸か、とにかくトラブルの多い学年だったので(笑)、こんなときの話し合いのルールは決まっていました。当事者が、徹底的に自分の気持ちを話す。まわりの部員は、当事者が言いたいことを全部話しきるまで黙って聞く。全部話し終えたあとで、まわりの部員が感じたことを言う——いたってシンプルなルールです。
ここで言うことが、「考えたこと」ではなく「感じたこと」であることに注目してください。
「相手が感じていることは、相手がそう感じているということであって、言われている本人が実際にどうであるかは別問題。だから、何を言われたとしても、否定されたことにはならない」
尊いきらめきを見る瞬間
たときの自分を見たのです。
「自分は自分の選択をした。それは自分で決めたことだからそれでいい。ヤスエはヤスエの選択をした。だから自分はそれを応援したい」
情報は収集しながらも、この時点では介入はしません。
最近は教室にも保健室にも入れないで、演劇部にだけくる子さえ増えています。そう、部員はある意味で、心の中に小さな闇を抱えた子どもたちなのです。
そして、その喜びや開放感を求めているのは、こうした「はみだしっ子」だけでなく、いわゆる「優等生」たちも同じです。
これまでは、二人に存分に語らせ、まわりが徹底的に聞くという場をもうけるのが、いわばパターンです。でも今回はそれは違う気がしました。焦点があたっているのは二人なのですが、本当の問題はほかに隠されている気がしたからです。
この一年トラブルらしいトラブルもなくて、みんな、自分の気持ちとかじっくり話す時間がなかったんじゃないかな。よかったら、今思っていること、感じていることを、一人ひとり自由に話してみない? この問題について話し合うのは、そのあとでもいいと思うんだけど
結局、アサミたちの部活に対する態度への批判は、実は「いい子」「優等生」をやってきた他の部員たちの、隠された不満の投影にほかならなかったのです。そのことに気づかず、表面にあらわれた問題の解決だけに終始しても、何も変わりません。かえって気持ちはばらばらになっていくばかりです。
子どもたちが、大人が期待する「いい子」の仮面をかぶった状態を続けていると、その火種は胸の奥に隠されたままです。そして、それはいつか必ず発火します。
本番が近づくにつれて、そのエネルギーは否応なしに高まっていきます。すると、いままでごまかしてきた(気づかぬふりをしてきた)感情も抑えられなくなってきます。
トラブルこそチャンスなのです。
「自分たちの悩みは打ち明けてはいけない」
そんな投げかけをして、からだの感覚を思い出してもらいます。すると、動きがみるみるうちに変わりだします。思い出したのです!
それにしても、即興で劇を作るのは大変です。そのポイントは何でしょうか。わたしは、その瞬間瞬間の自分の感覚を信じて、直感に従うことだと思います。そして全神経を開いて、他者との関係を切り結ぶのです。そこには段取りは一切ありませんし、ごまかしもまったくききません。
なぞったとたんに、即興は死んでしまう
「ずっと前からです。私、中学校のときから知ってるので」
「即興なんて、自分にはできないと思ってました。でも、詰まってどうしようと思ったとき、相手の目を見るとちゃんと心が動くんです。本当にできるんですね」
「上下関係を厳しくしたくなるのは、本当は上下関係なんてないからかもしれない」
「一度やったから」という安心感が、創造の意欲や新たなチャレンジに対して無意識のうちにブレーキをかけてしまいやすいのです(同じ作品を数回上演する場合、中間の日の舞台のテンションが落ちやすいのも同じ理由です)。
舞台というのはある意味で、本当に孤独な場です。なぜなら、幕が開いてしまったら、誰にも助けを求めることはできませんし、問題が起きても全部自分で解決しなければなりません。だからこそ、覚悟する必要があるのです。
覚悟ができると質問のしかたが変わってきます。というより、質問そのものをあまりしなくなります。かわりに何が増えるのか?
「その先の可能性を見るんです」
観客は脚本を持っていません
役者は自分で考え、自分で選び、自分で行動する
相手と対峙している存在(からだ)そのものは、いつでも瞬間を生きていなければなりません(なお、インプロ=即興演劇では、極限までこの「予測」しない感覚を大切にします)。
「同じことは二度起こらないんです。一瞬一瞬、新しく選んでください」
舞台で待ち受けている登場人物Aは、あらぬ方向から出てきた登場人物Bを見てうろたえます(見ていると楽しいです)(笑)。その瞬間に、つくりものではない、その瞬間に感じて動く表現が生まれます。
「マンネリ化したら交代してみる」