yuhr さんのヨミメモ

『シュタイナー思想とヌーソロジー 物質と精神をつなぐ思考を求めて』(半田広宣、福田秀樹、大野章) by yuhr


ところで、シュタイナーは、人間が真の自我性を獲得する最初の契機を「霊的受胎」と呼んでいます。「霊的受胎」とは、人間自我が本格的に霊を受容し始めることなのですが、これはキリスト教的に言えば、「キリストの内臨」のことです。レオナルド・ダ・ヴィンチなど多くの画家が描いた、受胎告知の絵画は、この霊的受胎を象徴的に現したものです。受胎告知に描かれた聖母マリアとは、純化された魂の象徴です。その聖母マリアにキリストが宿るのです。
もし、人類が低次自我の悪しき影響を克服することなく、一方で物質的科学だけを発達させ、遺伝子レベルで人間の病気を完全に駆逐するようになれば、人間は病気を通じてカルマを果たす機会を失い、人間精神は低次のカルマに圧迫され、精神が錯乱する人が続出するようになるでしょう。
肉体は血液が変化したものに他ならない
各生命体が独立性を強めれば強めるほど、他との相互関係性を深めるには、より強い「愛」の力が求められます。私たち人類は、神々や霊からはっきりと分断されることによって、「自由」と共に「より強い愛」を生み出す可能性を与えられました。
ところで人間は、地球上の動物の中で唯一直立する動物ですが、人間に直立を可能せしめたのは、この時期の思考活動器官の形成に起因するそうです。思考するということと直立歩行の関係はそのように関連しています。つまり逆に言えば、動物たちには思考器官がないので、四つん這いで生活しているわけです。
「言語の形成が、この時代のアトランティス人の祖先となる女性たちにより生まれた」
このように女性たちは、様々な自然の力を、心の深みから立ち上る一種の自然言語に置き換えることができるようになりました。そしてさらに興味深いのは、それが歌の表現となってもたらされたということです。また、この過程から善と悪の道徳観念が生じ、思慮深い生活態度が生まれたということ、これはまさに、「自然の力は神々の創造の力の表現」ということなのではないかと思います。自然現象の内にある創造の根源から響き渡る調和が、リズム、メロディー、ハーモニーとなって女性たちの口から表出されたのでしょう。そしてそこに自然力への畏怖、神々への畏敬の心が生まれ、宗教の萌芽が誕生し、その対極に「悪」を感じたのかもしれません。
いずれにしろその後の共同生活のための組織づくりも、女性たちの手に委ねられるようになり、男たちの教化もまた、女性たちの進化した魂により行われたということです。
このようにレムリア時代のアトランティスの祖先となるグループにおいては、女性の及ぼす影響が極めて大きいものとなりました。人類の文化形成は、自然の語る言葉を理解するこの時代の女性の魂の働きが基盤となり、人間の母体となる、感受性や、美的感覚などの感性が磨かれ、成立していきます。
そして現在人間は、エーテル体を再び頭部から上方に突き出し始めているとも述べているのです。
そしてまた、言語の発達がこの記憶能力の発達とリンクしていきます。レムリア時代晩期には女性たちが自然力を歌のような自然言語に置き換えましたが、言語の発達までには至りませんでした。しかし、前アトランティス時代の第一亜人類であるルモアハルス人は、言語を発することを覚えます。彼らの発する言語の響きはとても根源的であり、また自然的であったと言います。
この言語の発達により、人間は自らの魂と外なる事物との結びつきを行い、言葉を用いて周囲の事物に名前を与えるとともに、たとえば病気を癒す力、植物を成長させる力、動物の凶暴性を鎮める力など、言葉に周囲の事物や人間に効力を発揮する力が込められていることを覚えて行ったようです。