yuhr さんのヨミメモ

『声の文化と文字の文化』(ウォルター・J. オング) by yuhr


内部性とハーモニーは、人間の意識の特徴である。一人ひとりの意識は、完全に内側に折りたたまれている interiorized〔内面化されている〕。つまり、本人は意識を内側から知ることができるが、内側からそれに直接手を触れることは、本人以外にはだれにもできない。「わたし」と言う人はだれでも、当人以外の他人が「わたし」と言うときに指しているものとは違うものを、そのことばによって指している。わたしにとっての「わたし」は、あなたにとっては「あなた」にすぎない。そして、この「わたし」は、経験のすべてを「一つにして」それ自身のうちに合体する。知識とは、究極においては、分断ではなく統合であり、ハーモニーを求めることである。ハーモニーがなければ、内部の状態、つまりこころは、病んでいるからである。

声の文化と文字の文化
ウォルター・J. オング
出版社: 藤原書店   出版日: 1991-10-31   ページ数: 405