yuhr さんのヨミメモ

『声の文化と文字の文化』(ウォルター・J. オング) by yuhr


書くことは、独占的で〔いわば〕帝国主義的な活動である
口承伝承、あるいは、口頭で演じ語られるものの遺産を、そのもろもろのジャンルやスタイルをひっくるめて「口承文学」と考えるのは、言ってみれば、馬を車輪のない自動車と考えるようなものである。もちろん、だれでも、そのように考えてみることはできる。馬を一度も見たことのない人のために、馬に関する論文を書くことを想像してほしい。その論文は、馬の概念ではなく、読者の直接体験にもとづいて形成された「自動車」の概念ではじまることになる。さらに、馬を論じるときは、いつもそれを「車輪なし自動車」と言うようになる。

声の文化と文字の文化
ウォルター・J. オング
出版社: 藤原書店   出版日: 1991-10-31   ページ数: 405